朝晩はめっきり涼しくなり,青く澄んだ空には鰯雲が浮かび,夜には心地よい虫の声。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが,今年は概ね当たっているようです。食欲の秋,芸術の秋,読書の秋に突入ですね。
最近読んだ本。
辛辣な人物批判,痛烈な時局批判,,,麟太郎さんの持ち味、なんでも気兼ねなくズバズバ言う歯に衣着せぬ発言,大好きです。それにしても勝海舟は西郷隆盛のことは大いに買ってたんですね。文中より「おれは,今までに天下で恐ろしいものを二人見た。それは横井小楠と西郷南洲(隆盛)だ。」
司馬遼太郎『殉死』
再読です。全集を読み始めると止まりません。司馬遼太郎が「坂の上の雲」に続いて乃木希典をこき下ろします。武士道は貫いたが軍人としては無能。第三軍司令官として臨んだ旅順攻略での無為無策による多大な戦死者は浮かばれませんね。元総理大臣の中曽根康弘氏が昭和天皇に,司馬遼太郎の小説「殉死」に書かれている逸話は本当かどうか尋ねたところ,概ねその通りである,と答えられたと言います。この中曽根氏と昭和天皇のやり取りが事実だとすると,司馬史観と現在史実の比較という点で面白い提案になりそうです。まあ,多くの日本人にとって司馬作品は歴史教科書みたいになっているようですが,,,いろいろと気にせず「小説」として楽しみたいものですね。
司馬遼太郎『歳月』
これまた全集より。理論的に法的に江藤新平が正しくても,政治力がないと正義は貫くことができない。ちょっと悪役?残忍に描かれた大久保利通も印象的。処刑寸前の江藤新平が発した「裁判長,私は!」の後になんて言いたかったのか気になります。中央集権化や法治国家化など,新しい社会への構築能力がまだまだ乏しい維新創立期の政局時局が面白い。
さて,オーストラリアンラブラドゥードルの小春さん,快食,快便,快眠,涼しくなって元気百倍。毛が伸びてきてますます可愛くなりました。
いつもの親水公園広場。夕方の西日に溶け込みそうです。
夜遅くまでいたずらに勤しみ,朝はなかなか起きてきません。
小春さんが朝方布団に入ってくると,とてもぬくぬく,まるで天国。あまりの気持ちよさについつい寝過ごしてしまいます。