司馬遼太郎『人斬り以蔵』読み終わりました。
昨日,新撰組の斉藤一の非常に鮮明な写真が見つかりました。写真が世に出るにあたって歴史家のあさくらゆうさんが一枚絡んでいたのかな。この写真を見ると「これが死線をくぐり抜けてきた人の目なんだ」と思わされてしまいます。この風格は紛れもなく侍であると感じました。
次は沖田総司あたりの写真が出てこないかな。ご子孫の方が持っているか,どこかに眠っているか,,,まだまだ世に出てこない幕末あたりの貴重な写真がありそうですね。
なかなか本屋に行けず,司馬遼太郎を再読しています。薩摩の中村半次郎,同じく薩摩の田中新兵衛,肥後の河上彦斎らとともに,幕末四代人斬りとの異名をとった土佐の岡田以蔵の物語を含む短編集。前述の斉藤一や同じ新撰組の大石鍬次郎あたりも人斬りとの異名をとっていました。
冒頭の「不幸な男がうまれた」の一文で始まる物語。土佐の足軽に生まれた以蔵は,もとより剣術を習える身分ではなかったが,自己流の暗殺剣法を編み出し,土佐勤王党の武市半平太に見出され,人斬りと恐れられる程の殺し屋として幕末の動乱に身を投じ、暗躍していきます。しかし,その裏には足軽として生まれた以蔵の誰にも理解されない虚しさや悲しさがあり胸に迫ります。
他の短編も面白い。特に,大村益次郎を描いた「鬼謀の人」がおすすめ。
高校生の時に読んだ「竜馬がゆく」で龍馬や歴史の大ファンになり,それ以来,自分を支えてくれている司馬遼太郎の作品。何度読んでも面白い。当時読んだ時と違う捉え方ができる自分を発見する。再読は人生なり。