里山讃歌

ALの小春と過ごす田舎暮らしを綴っています

ノモンハンの夏

半藤一利ノモンハンの夏』読みました。

 

司馬遼太郎は,その晩年,昭和14年ノモンハン事件から太平洋戦争の敗戦に至る,いわば昭和の作品化の準備を進めていました。氏の家の書架には,検証作業を終えたノモンハン事件に関する膨大な資料が,その小説の素材となるべく出番を待っていたそうです。

 

ノモンハン事件とは,モンゴル国境で陸軍の精鋭部隊が当時ソ連軍に壊滅させられ,ことの真相を隠蔽して,やがて太平洋戦争の敗戦を招いていく,いわば歴史の闇でした。司馬遼太郎にとって,自分が書いてきた龍馬や西郷たちの命と引き換えに成立してきた日本という国が,日露戦争の勝利後,いかに軍部の奢りや狂信によって国民の命を犠牲にしていったかの記録でもあります。

 

司馬遼太郎は書きたかった。でも,書けなかったのです。

 

「これを書くとどうしても統帥権というものに触れざるおえない,まともに小説として統帥権というものを書くとすれば,生身の天皇陛下についてもっと掘り下げていかなければならない,,,日本国民を暗澹とした気持ちにさせるようなことは書きたくない,,,ノモンハンを書いたら俺は死ぬ,,,」など司馬遼太郎は語っていたそうです。ノモンハンについて調べれば調べるほど,あまりにもバカで愚かな当時の軍指導部の酷さに怒りがこみ上げ,書くことができなかったようです。

 

当時,文藝春秋にいた半藤さんは,司馬遼太郎ノモンハンを書くときの取材や資料集めを手伝ったそうです。司馬他界後,司馬の意志を受け継ぎ半藤さんが書いたものが,この「ノモンハンの夏」です。

 

読み進めていく途中で怒りに手が震えること多数。辻政信参謀をはじめとする軍指導部,責任ある立場にありながら最も無責任で無能で愚かな作戦に終始し,軍事より政治を重んじ,多くの兵隊を死へと追いやった。あるのは自我だけ。正義は己だけにあり,それに同調するもののみを人間と見なし,それ以外の命は屁とも思っていない。

 

当時の陸軍は組織としての神経が完全に麻痺していたようです。それがやがて訪れる太平洋戦争の壊滅的な敗戦に繋がっていくのです。ノモンハン事件から太平洋戦争敗戦,人は過去から何も学ばないことを思い知らされました。

 

 

 

オーストラリアンラブラドゥードルの小春さんと一緒に,石岡市にあるトラットリア・アグレステに行ってきました。

 

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木をふんだんに使い,広くてきれいな店内です。このレストラン,知的ハンディのある人たちが,飲食サービスの就労トレーニングをするための施設を兼ねているようです。店内で一生懸命働いている障害のある方を心から応援したい。

 

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次々と来店する人に興味津々。店内ではとても落ち着いていました。

 

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大洗産しらすと蓮根のピッツァ。さっぱりして美味しい。

 

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レストランから車で15分。またまたつくば犬たちの森ドッグランへ。この日はフレブルのオフ会があったようです。同じ名前のフレブル小春ちゃんに気に入られ,どこまでも追いかけられ,散々逃げ回っていました。

 

ノモンハンの夏 (文春文庫)

ノモンハンの夏 (文春文庫)

 

 

暮らし歳時記(お正月編)

2018年になりました。

 

偉大なチェロ奏者パブロカザルスがチェロを弾いてる映像を見たとき,まさか楽器を弾いているとは,と思わされるようなとても静かな姿が印象に残りました。杖をついた老人? かと思うほどの脱力感。縁側に腰を下ろして,背中を丸めて,左腕で杖を抱え,お茶を飲んでいるおじいさんのよう。

 

しかし,奏でる音は眩い光のごとく。どんなに激しいフレーズを弾いても体は安定してとても静か。小春日和のポカポカ陽気の縁側でのんびり佇むおじいさんが奏でる音とは思えないほど素晴らしい演奏でした。

 

チェリストの中には激しく体を揺さぶり腕を振りかざし情熱的に演奏する方もいますが(それはそれで良い),カザルスはそのようなスタイルとは真逆。「力を入れずして力を使う」という芸術上のコツを見事に体現したカザルスの演奏でした。

 

力を入れずして力を使うカザルスのスタイル(真の芸術家はみんなそうだと思いますが)を人生に取り入れ,役立てていきたいと思いますが,私の場合「力を入れない,使う力もない」になってしまいます。

 

今年も力を抜いて,鈍感に,のんびりと過ごしていければと思います。

 

 

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元旦の初散歩。天気晴朗ナレドモ風強シ。小春さん,とても元気。

 

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朝ゆっくり起きて,朝飯食って,本読んで,散歩して,昼飯食って,本読んで,散歩して,ちょっと酒飲んで,本読んで,寝る。こんな感じでだらだらしました。

 

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夕方の散歩はたっぷり1時間半歩きます。暗くなるのが早いので4時前には出発します。美しい夕焼けの中,小春さんとたくさん歩きました。

 

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水戸のシュナカフェにて。オーナー様のランボルギーニアヴェンタドールに乗り込もうとする小春さん。寸前で防ぎましたが人間どもはヒヤヒヤです。

 

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ドッグラン涸沼にて。イタグレ,黒柴アイリッシュセター,小春で競争です。韋駄天小春,1番でゴール。

 

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イングッシュスプリンガースパニエルも加わってプロレスです。ゴングが鳴り,小春とイタグレがファイト!

 

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ちょっと気になっていた「つくば犬たちの森」に行ってみました。広くてきれいでいいところ。

 

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このドッグラン,昨年の10月にオープンしたそうです。山を切り開いてまだまだ造成中とのこと。

 

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えるちゃん(2歳,女の子,ミディアム,ゴールド,ウール)と遊びました。小春と同じ12月生まれで2歳。犬舎では一緒に過ごしていたかもしれません。オーナー様より,つくば犬たちの森は午後になるとALが集まってくる,とのこと。

 

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パグ,ジャックラッセルテリア,ALで遊びます。えるちゃん,ボール遊びがとても上手。

 

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つくばのイオンにて。大勢の人にも動じることなくマイペースです。会う人会う人に嬉しくて飛びかかってしまいます。

 

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大混雑のつくばペニーレイン。食事の予約を取り,イルミネーションが見えるドッグランで1時間半待ちました。

 

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ドッグカフェでワンコも人間も腹一杯。明日から節制しようと心に誓います。

 

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家にいるときはいつもこうです。私以上にだらだらしています。

 

明日から連休明けブルーとの戦い! 力を入れず,毎日連休みたいな気分で行きましょう。

餅つき

暮れも押し詰まり,2017年もいよいよ終わりに近づきました。一年はあっという間。この早すぎる時間の経過に虚しくなるばかり。今更ですが,この歳になり時間の大切さが身に沁みる毎日です。限られた時間を有効に活用できるようにしたいものですね。「健康な体とわずかなお金と自分で使える多くの時間」,人生この3点セットで十分です。

 

毎年恒例,12月30日は餅つきをやります。

 

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蒸し小屋の前。小春さんもやる気十分です。私と一緒にもち米を蒸す担当です。

 

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三升半のもち米を蒸します。ついでにアルミ箔と濡れた新聞紙で包んださつまいもをかまどの中に投入して焼き芋を作ります。

 

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餅つき機でこねること30〜40分。丸くて美味しそうなお餅ができてきました。以前は杵と臼で餅をついていましたが,なかなか大変なため機械になりました。日本の伝統文化である杵と臼の餅つきが消え失せつつあり,寂しい限りです。

 

 

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小春さん,白くて大きなマシュマロみたいな物体に興味津々。

 

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つきあがった餅を小分けにして片栗粉をまぶし,御神器(おしき)に入れ平らに仕込みます。小春さん,お餅の美味しそうな匂いによだれタラタラ。あなたは食べられません!

 

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完成です。これを16枚作ります。

 

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美味しそうな匂いにとても興奮してしまいました。ここで休憩していてください。

 

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きな粉餅にして食べてみました。つきたてのお餅は美味しくてほっぺたがとろけ落ちそうです。

 

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お餅を食べ過ぎたので小春さんと一緒に有酸素運動です。

 

年末年始は何もしないでダラダラするに限る! 暴飲暴食による年末年始太りには十分注意したいと思います。

年末年始休みに入りました。小春さんのリードを買いに那須ガーデンアウトレットへ。

 

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那須地方,昨日は雪が降ったようです。アウトレットはガラガラ。

 

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ウィンドウショッピング。お気に入りの服はありましたか!?

 

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ドッグランは積雪10センチ。初めての雪で大はしゃぎです。

 

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犬は喜び庭駆け回り,,,初めての雪の感触,初めての雪の味。この冷たくて美味しい大量の白いかき氷に魅了されたようです。

 

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美味しくてたくさん食べてしまいました。

 

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1歳のビーグルと追いかけっこ。

 

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遊びすぎてあごひげが雪で白く凍ってしまいました。カフェ色のサンタクロース。

 

気温マイナス1度の中,2時間遊びましたね。元気で結構ですが,人間どもは寒くて鼻水タラタラです。

里帰り

今年はオーナーズパーティーに何回か当選しましたが,雨でことごとく中止になってしまい,ひめはるの里には結局行けずじまいだったので,小春さんの里帰りを兼ねて行ってきました。

 

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新しくなったドッグラン。オーストラリアンラブラドゥードルの大集団で賑わっていました。

 

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フィーカちゃんとのツーショット。カラーや体型などそっくりです。

 

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お鼻とお鼻をくっつけて確認します。

 

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ブラックのスタンダードは大きいですね。

 

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大勢のALに圧倒されたのか,この日はいつものようにひたすら走り回るのではなく,ちょっと走ってはゆっくり遊ぶ様子が見られました。2歳になって少しは落ち着いたのかな。

 

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広くなったドッグラン。芝生もきちんと整備されています。

 

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オーナー様ともたくさん情報交換させていただきました。小春も時間いっぱい遊んで満足したようです。サクラメントではかわいい子犬がいっぱい。契約して連れて帰る家族がたくさんいました。

 

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帰宅中の車内。成田空港近辺。1分おきに飛来する大きな飛行機を巨大な鳥とでも思ったのか不思議そうに見ていました。小春さん,疲れ知らずです。

 

 

2歳

オーストラリアンラブラドゥードルの小春さん,快食,快便,快眠,,,元気に2歳の誕生日を迎えることができました。

 

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今日はいつもと違うな,何か美味しいものでも食べられるのかな,との表情。期待に胸が膨らみ目が輝きます。

 

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ミニトマト,人参,かぼちゃ,ブロッコリー,ヨーグルトを素材としたママさんお手製のヘルシーケーキ登場。

 

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自ら椅子の上に飛び乗り,よだれタラタラです。

 

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ろうそくの火を消すと同時にかぶり付きました。一瞬でケーキが消失!

 

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甘いケーキはちょっとだけよ。

 

お誕生日おめでとうございます。病気や怪我もなく元気に2歳になれたこと,とてもとても嬉しいです。小春さんの宝物はなんですか? 人間どもの宝物は小春さんです。いつもいつも大切に思っています。これからの犬生がしあわせであふれますように!

 

それと2歳になったのですから,帰宅した人間どもにジャンプして噛み付くのはやめてくださいね。

呪われた部分 有用性の限界

師走です。今年もあとわずか。毎日忙しく犬の手も借りたいほどですが,猫のようにぬくぬくと生活している我が家の小春さんでは無理でしょう。

 

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仕事で沖縄に行ってきました。沖縄は気温28度。ホテルではエアコンをガンガンつけて寝たせいか,帰宅後に大風邪をひいてしまい,散々な目にあいました。

 

G.バタイユ『呪われた部分 有用性の限界』読みました。

 

久しぶりにバタイユの本を読みました。高3の頃だったか,ニーチェプラトンサルトルアリストテレスなど,哲学者の考えを簡略化した書籍を読み進めていた時期がありました。西洋哲学者の様々な考えや思想を知って,これから生きていくための人生の指針みたいなものを得たいと思ったからです。また,今の自分の考えに近い人はいないのか,という興味も有りました。

 

その中にバタイユという思想家の言葉や文章があり,その異常さ?や想像のつかない混乱した情念に興味をもちました。何となく自分の考えに近いな!(自分は高校時代相当のひねくれ者,精神的不安定者でした)。それ以来,時々バタイユの書籍をかじってきました。

 

資本主義全盛の現代社会。資本主義の中では,あなたは何かの役に立ちますか,社会の役に立ちますか,我が社にとってなにか利益を生み出していますか,などと有用性という価値観に覆われて人は生きている。何かの役に立っていなければあなたは価値がないというのが資本主義の本音であろうか。

 

バタイユが何を言ったかというと,拡大解釈すれば,私たちはこのような何かの役に立たなければという有用性に取り憑かれてしまっているが,人間は内在的には存在しているだけで価値があるということ。あなたは理由があってそこに存在しているのですかという問い。何かに帰属して,何かを生み出して,何かの役に立って,,,う〜ん,いかにも哲学的な問いですが,決してそんなことはない。人は存在しているだけで素晴らしいと。私たちは存在している。その辺の石ころと何ら変わりはない。資本主義という幻想の中で生きているだけ。

 

常に何かの役に立っていなければ,,,という問いは,人の思考を傷付け,重荷になってしまうようです。せめて自分の心の中だけででも有用性という思考を破壊し,存在しているだけで価値があるという価値観を再構築するだけで,きっと気楽に生きていけるのかなと思います。資本主義末期である現在,資本主義にかわって社会を覆う新たな価値観を模索していかなければなりません。

 

思想には計り知れない深みがあります。思想は絶対化できないからこそ無限に続いていきます。世の中に対する見方,人間に対する見方,,,精神世界の探求はなかなか面白いですね。バタイユシオランなど,また読んでみたいと思います。

 

 

 

さて,オーストラリアンラブラドゥードルの小春さん,冬になってますます元気。散歩中はいろんな人に声をかけてもらったり触ってもらったりと,とても嬉しそうにしています。

 

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沖縄出張で三日間留守にしたときは,お利口さんに待っていたようです。いつ帰ってくるのかな〜と窓から外を眺めながら。

 

 

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寝るときは猫のようになります。

 

小春さん,2歳の誕生日までもう少し。誕生日には美味しいケーキを食べましょうね。

 

呪われた部分 有用性の限界 (ちくま学芸文庫)

呪われた部分 有用性の限界 (ちくま学芸文庫)