里山讃歌

田舎暮らしを綴っています

B面昭和史1926〜1945

半藤一利『B面昭和史1926〜1945』読了。

 

昭和の語り部,半藤さんのベストセラーである「昭和史」と対をなす,国民の目線から描いたもう一つの昭和史です。

 

文中のところどころに半藤さんの親父の言葉が出てきます。江戸っ子下町親父独特の言い回しで,息子を叱るように言って聞かせる言葉ですが,これがまた素晴らしい。

 

当時の民衆は,軍部や政府に率先して乗っかって戦争に向かって行ったように感じます。新聞やラジオなどマスコミの影響も大きかったでしょう。それでも,民衆の一人ひとりは冷静に情勢やものごとを見極め,自分の考えや判断をもっていました。

 

親父さん,熱狂性や楽観性や同調性とは全く無縁のようで,情勢に対する自分の信念をもち,世相を鋭く指摘しています。しかし,当時の体制がそれを許さず,戦争反対の声すらあげることができなかった。

 

かつて民衆はどんな風に政府や軍部に騙され同調して戦争に突き進んでいったのか。日本国民はいかにして戦争になびいていったのか。また,当時の庶民の生活や感覚は実際はどうだったのか。

 

この本,600頁にも及ぶ分厚い本で,当時のユニークなエピソードを交えながら,常軌を逸脱した軍部の行動とそれを止められない政治家,庶民を戦争へと煽り立てた愚かなマスコミなど,民衆目線で戦争に突き進む激動の昭和前半を描いています。読み応えたっぷりです。

 

 

B面昭和史 1926-1945

B面昭和史 1926-1945