この「真珠湾の日」,以前読んだ敗戦の日(1945年8月15日)の24時間を描いた「日本のいちばん長い日」と対をなす本ですね。
なんと,この「真珠湾の日」,著者の半藤さんが幽霊からお告げを受けて!?書いたそうです。枕元に立った幽霊は「敗戦の一日を書いたからには,開戦の日のことも書いてはもらえんか」と半藤さんに言ったそうです。その幽霊の正体は,半藤さんの母校長岡中学校の先輩である山本五十六ではないか?!と,半藤さんは勝手に思っているそうですが。いやはや,昭和の語り部,半藤さんらしい面白いエピソードです。
太平洋戦争への経緯やハワイ攻撃での戦闘など,日米両国で研究し尽くされており,ありとあらゆる膨大な文献や書物が世に出回っています。この「真珠湾の日」,以前読んだ「日本のいちばん長い日」と同様にハワイ作戦に向けた世界全体のエピソードや多くの人々の回想などを時系列に並べて著してあるので,歴史の流れやうねりが読み取りやすくなっています。また,あの時代の日本人の行動や心理や世間の空気みたいなものが随所に散りばめられており,現在の思考や哲学から開戦を考えるのではなく,当時の心理から考えることができるような本であると感じました。
昨年「日本のいちばん長い日」の映画をやっていたような,,,見てみたい。