だいぶ前に作ったタミヤ1/700ウォーターラインシリーズ戦艦大和を眺めていたら,,,
もう一つの大和型戦艦である武蔵を作りたくなりましたが,プラモデルを作る時間などなく,本で我慢することにしました。
戦艦大和と同型艦でありながら,吉田満の「戦艦大和ノ最期」等によるその壮絶な物語やエピソードからか,大和の方が注目され,武蔵はちょっと影が薄いかなと感じます。宇宙戦艦ヤマトの影響も,,,
戦後69年ですが,未だにその全貌が解明されていない謎に包まれた大和と武蔵。戦時中は大和型戦艦自体が国家機密で,民間人は大和型戦艦の存在さえ知らなかったようです。対峙した米軍でさえも詳しい仕様は知らず,,,まさか46センチ砲を備えているとは思っていなかったようです。
この『戦艦武蔵』,,,本の2/3は建造過程が描かれています。武蔵建造に注がれた多大な労力やエネルギーが,長崎造船所の建造担当者が残した資料をもとに,緊迫感あふれる文章で表現されているノンフィクション文学です。最期は航空機の集中攻撃を浴びてレイテ沖であっけなく沈んでしまう。この多大な労力やエネルギーがもたらす大量の人命や物の浪費,,,戦争の本質を見たような気がします。