里山讃歌

ALの小春と過ごす田舎暮らしを綴っています

 漱石論 〜21世紀を生き抜くために〜

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小森陽一漱石論 〜21世紀を生き抜くために〜 』読了。

久しぶりに中身の濃い読み応えのある本を読みました。夏目漱石の小説は,若かりし頃に数冊読みましたが、そのころは,特に「読みたい」と思って読んだわけでもなく,「日本の文豪だから読め」という言葉に押されて,新潮文庫百冊キャンペーン的に読まされたといった感じです。明治の作家ということで,文体や歴史的仮名遣いで苦労した記憶が,,,時代背景も知らず、、、中学生だった僕には難しかったようです。数年前に『草枕』を再読したときは,文章が胸の中に「すとーん」と落ちてきた感じがして爽快でした。伊達に年食ってない。人生経験は大事ですね。

さて,この本,,,漱石の作品を,戦争,男女,メディアなど今日的なテーマから読み解いています。漱石は,明治というあの時代を作品にどう織り込んだのか。その織り込んだ言葉やメッセージから,現代の諸問題や資本主義社会の矛盾を鋭く暴き,警告する。読み応えたっぷりです。岩浪書店はさすがに手強い。

漱石が紡いだ物語や言葉にしっかりと向き合い,これからの人生をじっくりと考えてみたいと思います。