文化の発信基地である本棚,,,いっぱいになってしまいました。
いっぱいになると時々本の雪崩を起こすことがあるので本棚の整頓をしなければなりません。整頓といってもいっぱいになった本を物置の書架へ移動するだけです。
先日久しぶりに物置の2階の部屋に行ったら,書架のコミックの部分が雪崩を起こしていました。書架の床板の部分が痛んでいたのが原因のようです。釣りキチ三平,ドカベン,バリバリ伝説,北斗の拳,魁!!男塾などなど,ごちゃ混ぜになり,もうなんの漫画か分かりませんでした。
本がどんどん増えていくのは読書生活の宿命です。だからといって本を捨てるわけにもいきません。ブックオフに回すわけにもいきません。電子書籍なるものもありますが,どうも嫌いです。紙媒体に比べて読書中の思考を阻害するような気がします。老眼が著しい僕の目にもよくありません。
蔵書を楽しむ方向で,,,
ノーマン・M・ネイマーク『スターリンのジェノサイド』
以前から読みたくてやっと手に入れました。現代史を読み解くためには絶対に読んでおくべき一冊。独裁者スターリンの少数民族への迫害と殺戮,政敵への粛清や虐殺,,,著者は数々の資料をもとにこれらをホロコーストと同様にジェノサイドであると位置付けている。同じジェノサイドでも戦勝国ソ連のスターリンは敗戦国のヒトラーほど批判されていないような気がします。勝てば官軍。当時のソ連は人の命なんかへとも思っていなかったのか。そして今でも国家の本質は変わらないのでは。しかし,歴史ってなんだろう,人の命ってなんだろう。
新田次郎『ある町の高い煙突』
近くの日立市がこの物語の舞台。実話をもとにして書かれた小説です。よく耳にする地名やスポットが文中に散りばめられ,とても身近に感じられる小説です。この小説の題名でもある大煙突。高さ約155Mで完成当時は世界で最も高い煙突でした。しかし1993年に約3分の1を残して倒壊してしまいました。当時僕は車の運転が楽しくて楽しくてしょうがなく,気分はアイルトン・セナやナイジェル・マンセル,CR-Xを駆り走り三昧の日々でした。煙突へつながる本山峠の道もよく走ったものです。本山峠を越えて日立市に入ると,倒壊前の大煙突がよく見えました。それはそれは壮大な眺めでしたが,なんでこんな山の上にこんなに高い煙突があるのか?と疑問に思ったものでした。日立鉱山の煙害により付近の村落と企業との闘争をサイエンスタッチで描いています。とても読みやすい。面白い。新田次郎の小説は読後感が爽やかです。
小春さん,千波湖を散歩。梅が少し咲いていました。