里山讃歌

田舎暮らしを綴っています

定期演奏会

今回の第126回定期演奏会,プログラムは,,,

 

コープランド:エル・サロン・メヒコ

バーンスタインウェスト・サイド・ストーリーよりシンフォニックダンス

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

 

 

エル・サロン・メヒコ

アメリカの人気作曲であるコープランドがメキシコ民謡を取り入れて書いた躍動感あふれる作品です。

 

1930年代のある日,メキシコシティにあるダンスホール「エル・サロン・メヒコ」に立ち寄ったコープランドは,店内の情熱的な雰囲気にいたく感動し,この曲を書いたようです。

 

10分弱の小品ですが,作品の中に多くのメキシコ民謡が取り入れられていて,それらをもとの形のまま並べるのではなく,変形させ,組み合わせ,展開させるなどしてオリジナリティあふれる作品に書き上げました。曲は活発で躍動的で,情熱的で,楽しい雰囲気に満ち溢れています。

 

おかげでリズムが難しく,4分の4拍子,4分の3拍子,4分の2拍子,8分の3拍子,8分の5拍子が入り乱れ,反復するシンコペーションがタイで繋がり,演奏者は楽譜を微動だにせずガン見してしまうことあり。なんとも楽しい曲です。

 

 

 

ウェスト・サイド・ストーリーよりシンフォニックダンス

そのコープランドに才能を高く認められたバーンスタイン。今年はバーンスタイン生誕100周年です。

 

バーンスタインの音楽を聴いているとニューヨークの大都会を強く思い起こさせてくれます。様々な人種が暮らす都会生活を反映して,活発なリズム,寂しげな孤独感,暴力,感傷,人種間の対立など,シンフォニックダンスにはそういった要素が生きたままぶち込まれています。

 

ジャズやラテンなどのエスニックな音楽や心安らぐクラシカルな美しい旋律が次々と現れ、せっかちな都会人にふさわしく,曲はすばしっこいリズムで展開していきます。いかにもアメリカンで派手な響きをオーケストラが繰り広げ,ほとばしるようなエネルギーを感じさせてくれます。ニューヨークの路地裏で,誰かの胸倉を掴み,ボコっと一発みたいな。

 

ガンダム世代の僕ですが,中学生の時に見た機動戦士ガンダムのある戦闘シーンでこの曲の一部がBGMとして流れ,やけに興奮して見た記憶があります。

 

 

 

交響曲第6番「悲愴」

大好きな曲です。まさに「ザ,チャイコフスキー」。何回聴いても飽きない自他共に認める音楽界の金字塔的な作品です。曲の奥深さにいつも圧倒されます。

 

曲を鑑賞したり演奏したりするときは,まず作曲の意図や経緯を調べ,音楽的な表現について分析を始めます。しかし,この曲の場合は,その世界の深さに,感じ取る心も,表現するための技術も,とても及びそうにない限界を感じます。

 

チャイコフスキーはこの曲の初演の9日後に急死しました。曲の内容はその死を予言したものであったのか。チャイコフスキーはワルツの名曲をたくさん書いており,「悲愴」の第2楽章もワルツですが,5拍子のワルツという独創的なものになっています。5拍子ということで,1拍足りないような割り切れない不安定さを感じます。最初のチェロが奏でる旋律は天にも昇るように美しく軽快に流れていきますが,どこか不安定で儚い感じが漂います。

 

この曲ほど暗いフィナーレはありません。最後はコントラバスが奏でる哀悼の歌によって静かに消えていきます。気高く悲劇的に幕を閉じます。この作品でチャイコフスキーは死と向き合い静かに受け入れることで死への恐怖を克服したのでしょうか。

 

人間の持つ悲しみという情感を交響曲の形式の中にたっぷりと盛り込んでいる普遍的な魅力を持つ作品ですね。

 

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今回の定期演奏会,,,1930年代のメキシコ,1950年代のアメリカ,帝政ロシアのハーモニーとリズムとバラエティーに富んでいて,楽しい時間を過ごしました。